2010年9月24日金曜日

東芝カラーテレビ 21R3A 修理

只今祖父母宅に滞在中。物置の中にテレビ (昔曾祖母が使っていた) が眠っていたのを思い出し、ファミコンをやるために出してみました。動くかな、、と思って電源を入れてみたのですが、、壊れていました。

電源を入れると画面が横一になります。電源を入れたまま時間が経つと、画面の一部が映るようになります (右)。

おかしいのは紛れもなく垂直偏向回路の部分だろうと思い、中を開けて探ってみました。

これがテレビの中身です。このテレビの中で唯一の真空管であるブラウン管に線が沢山つながっています。ブラウン管の先端のガラス部分には電子銃があり、導線でつながっています。その下の銅線のぐるぐる巻きになっているところは電磁石で、ここから発せられる磁界によって電子の向きを変えます。写真右下の太い線につながった吸盤状のものはアノードキャップといい、ここから給電された高圧で電子を引きつけます。

ブラウン管の偏向コイルに繋がったリード線をたどると基板の写真の部分にたどり着きます。偏向回路はこの近辺であろうと見てみると怪しいコンデンサーを発見。コンデンサーの液漏れのせいか、基板の変色した部分があります (C316)。他サイトではこの機種の垂直偏向の関連で C308 の不良についても書かれていたので、同時に交換しておきます。僅か 1 cm 程度の部品の不良でテレビは使えなくなってしまうんですね。

別の日。自分の寮に行くついでにストックしてある電子部品を見てみると、これらの部品が運良く余っていたので持ってきて、またテレビを開けて半田ごてで作業。C316 の部分のパターンが剥げかかっていたので、もともと繋がっていた隣の電子部品の半田の部分に直接繋いでおきました (これもコンデンサの液漏れのせいか、、。

ここで交換した部品は以下の通り。両方とも電解コンデンサ。

  • C308 2.2uF 50V
  • C316 22uF 25V

交換したら仮組み立てを行い電源を入れると、、映りました!

あとは、裏のツマミで画質 (フォーカス・輝度・垂直振幅) を調整し、ねじを締めれば修理は完了です。

以下、フォトギャラリー w


テレビの裏面。モノラル音声の機種ながら S 端子が付いている。当時は UHF と VHF の端子が別々で、平行フィーダー用の端子がついていました。因みに UHF 用のめがねフィーダーはもう製造を打ち切られたようです。

懐かしい OSD 表示。7セグ風の文字です。

ブラウン管視野角広すぎワロタ (上から)

(左から)

テレビ前面の操作パネルと、カバー裏側の説明書き。当時のテレビはツマミで画質調整が当たり前でした。チャンネル設定も「地域設定」なんてものは無く、1ch ずつ手動で設定しました。

1991年製造です。もう大体20年近く前のテレビですね。

感想

そこそこ綺麗に映っていると思う。ただ、手元の WEGA (Sony) の画質には敵わないかな (経年劣化もあるだろうししょうがない)。あと、画面の上の部分が微妙に歪んでいるような...。オシロは持ってないから測定できん。

修理している最中、後ろの蓋を開けた状態で電源を入れたこともあったが、「キーン」と高い音がやかましい (別に壊れているわけではない)。ブラウン管特有の現象。水平同期周波数 (≒ 15750 [Hz]) と同じ高さの音だ。


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←東京芝浦電気製カラーテレビ、の現代版 w
今でもテレビの画質は東芝だろうと思っています。

ちなみにこの機種、この記事の執筆時点でアマゾンの売れ筋ランキング3位。

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