2010年11月28日日曜日

クラリネットのアンブシュア (初心者向け)

クラリネットを始めたばかりでどうしてもうまく吹けないうちは、「ぺー、ぺー」と金属的な薄っぺらい音になりがちだと思います。そういった音色を少しでも改善するために。
この記事は主に、吹奏楽でクラリネットを初めて間もない中学・高校の1年生ぐらいの人が読者の対象になるように書いたつもりです。勿論、もっと長い間楽器をしてらっしゃる方や、大学生・社会人以上でこれからクラリネットを始めるという方も大歓迎の記事です!

マウスピースの角度

クラリネットとサクソフォーンって、同じ発音体 (シングルリード) であるから、cl 吹きが sax を吹いても、sax 吹きが cl を吹いても、とりあえず音が出ることには出ます。けれども同じ楽器を cl 奏者と sax 奏者が吹いて比べても大抵は同じ音色にはならず、「クラなのにサックスの音がする」「サックスなのにクラの音がする」という印象を受けることも多くあります。
何が違うのかというと、マウスピースを咥える角度の違いが一番わかり易い特徴だと思います (その他にも cl と sax とでは色々とアンブシュアや息の入れ方等が違うが)。咥える角度が違うと音色も違うものになりやすくなるということです。

前置きは長くなりましたが、クラリネットのマウスピースは顔に対して垂直ではなく、やや低めの (地面に近づく) 角度に楽器を構えた方がとりあえずクラリネットらしい音色に近づくでしょう (楽器の角度を低めにするからと言って、顔が下向きにならないように注意すること)。

唇とマウスピース

吹奏楽でクラリネットを吹いている方ならば、下唇を巻いてその上にマウスピースを乗せる形のアンブシュアはご存知のとおりでしょう。ですが、その下唇の巻きが足りず、それで音色が薄くなっている人も見ます。

下唇をあまり巻かないで吹くと、抵抗感の少し減った楽な吹奏感になると思いますが、その分薄っぺらい音や金属的な音になりやすくなります (その上で息の入れ方がなっていないと、いかにも初心者という音色になります)。音楽のジャンルによってはそれもありかもしれませんが、(吹奏楽で演奏するならば) 下唇をしっかりと巻き、リードと下唇との接触面積を増やしてやることで柔らかい音が出やすくなります。前述のマッピの角度も、リードと下唇との接触面積を増やすことに貢献しています。
初心者の間は下唇を巻くことにあまり慣れないと思いますが、楽器の角度を合わせて気をつけることで、無理のない下唇の形にできると思います。

ただ1つ注意点。あまり唇を巻き過ぎたり噛み過ぎたりすると、楽器の響きが活きてこなくなるので程々に。

それから、cl と sax のアンブシュアの違いとして「sax は緩く、cl は強く噛む」などと表現しているものを (2ch のスレで) 見たことがありますが、噛むというよりはキュッと唇で締めつける感じです (但し、唇が萎まないように。あくまで横に「キュッ」です)。前述の唇の形を合わせて維持することで、無理なくマウスピースを締めつけられると思います。マウスピースの締めつけが足りないと、「ビャー」っと開いただらしない音色になってしまいます (女性の奏者に多いかも)。これも、締めつけることを意識しすぎるあまりにマウスピースを噛みすぎないよう注意してください。すると今度は硬く潰れた音色になってしまいます。

ついでに、息の入れ方

アンブシュアと関連して重要なのが息の使い方。指使い (音の高さ) が変わっても一定の息の量を維持するように心がけてください。
電気回路で例えるなら、息遣いは電圧源 (~) ではなく電流源 (→) です (はい分かりづらいですね、すいません) w
これを身につけるためには、スケールをスラーでつないで練習していくと良いでしょう。音と音とが途切れないように。スケール練習にも色々バリエーションがありますよね。ドレミファソラシド…だけでなく三度の跳躍 (ドミレファミソファラ…)、三連符 (ドレミレミファミファソ…)、半音階などなど。。
と、このように練習していくと今度は指使いの重要性にも気付くはずですが、この記事では割愛します。

最後に

  • この記事では、アンブシュアと息遣いとの関連について書きました。前に書いた記事では、タンギングと息遣いとの関連について書いてあります。その他、良い音で音楽を表現するために指と息との連動も重要です。このように、楽器の演奏ではいくつかの要点が有機的につながっています。勉強でも物事と物事とを有機的に関連付けて覚えることで効率良く学習できますから、似ていますね。楽器の練習も頭を使ったほうが伸びが早いです。
  • クラリネットを始めて3年程度経っている方でも、息の入れ方やアンブシュアがうまくいっていない方をたまに見ます。もう一度アンブシュアや息の入れ方を基本からおさらいし、見なおしてみるのも良いと思います。
  • この記事を書いている私は、クラリネットを始めて7年程度のアマチュアに過ぎません。よって、この記事と違う考えの人もいるかも知れないことをご了承ください。

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2 件のコメント:

  1. わかりやすくて助かります。                                           質問なんですが、低い音からいきなり、高い音に変わるとき、{スラーなどでつながっていなくて、違うフレーズの場合}アンブシュアを変えないと上手く吹けません。どうしたらいいのですか?

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  2. 匿名 さん

    こんにちは。コメントありがとうございます。
    低い音域と高い音域とでは、息のスピードや入り方が違いますから、アンブシュアを変えれば吹けるということは、アンブシュアを変えることで息の入る向きを変えていたのかもしれませんね。
    アンブシュアを変えずに幅広い音域に対応するための練習として、「ソファソミソレソドソ~」という風に、音1つずつ下がり (上がり) ながら元の高さに戻る、という練習 (アンブシュアの練習と読んでいます) をしてみると良いでしょうね (私が把握する限りでは、『3D バンドブック』の頭の方のページにも載っています)。

    また、上手く吹けない原因として、息と指とが上手く連動していない、という場合もあります。正しい場所を指で素早く塞げるかどうか、ちゃんとトーンホールを指の腹の部分で押さえているか等、気をつけると良いと思います。

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